導電性インクペンAgIC 特性チェック



紙で電子工作ができる導電性インクペン、AgIC(エージック)を購入して遊んでいます。
多少遊んだところで、AgICの特性を細かく見ていきたいと思います。

AgICの抵抗値をチェック

フォト光沢紙にAgIC回路マーカーで線をひくと、導通すると同時に、長さと太さに応じた抵抗が発生します。

下の写真のようにフォト光沢紙に細い線と太い線を引いて、それぞれの抵抗を測定しました。
AgIC性能チェック 線の太さによる抵抗値の違い1AgIC性能チェック 線の太さによる抵抗値の違い2

結果は以下のようになりました。

細い線
  • 10cm…243Ω
  • 5cm…126Ω
  • 1cm…20Ω
太い線
  • 10cm…92Ω
  • 5cm…44Ω
  • 1cm…8Ω

では実際の回路を描いた時にどのような抵抗値になっているかを見てみたいと思います。

以前の記事「導電性インクペンAgIC 基本の遊び方」にて、LEDが光らないときは線を太くすると抵抗値が下がってLEDが光ります、と書きました。

その時に使った回路で抵抗値を測ります。

細い線の時は、前方が288Ωの抵抗・後方は1739Ωもの抵抗です。
AgIC基本の遊び方 細い線の抵抗1AgIC基本の遊び方 細い線の抵抗2
計2027Ωですね。

後方の抵抗が極端に大きいのは、紙の折れ目によって、断線が生じているせいだと思われます。

線を太くすることで、前方が87Ωの抵抗・後方は108Ωの抵抗となりました。
AgIC基本の遊び方 太い線の抵抗1AgIC基本の遊び方 太い線の抵抗2
計195Ωです。
ぐんと落ちましたね。

使っているLEDは、Vf=2.1V@If=20mAのものです。

使用しているボタン電池はV=3.0Vなので、V=IRの公式より、

・細い線(2027Ω)の時の電流値
(3.0V-2.1V)=I*2027
I=0.44mA

・太い線(195Ω)の時の電流値
(3.0V-2.1V)=I*195
I=4.6mA

※厳密には電流によってVfも変わるので、一律2.1Vではありません。
が、実務上はこのような計算で大丈夫です。
学校のテストでは、LEDのVf-If特性図も加味して計算しないと×をくらうのでお気をつけて。

細い線の時は0.44mAしか流れていません!
LED発光のTypical(代表値)が20mAなので、それに比べるとかなり低いことがわかります。
これでは光らないのも無理はありません。

線を太くしたことで4.6mAになりました。
このくらいあれば、微弱に光ってくれるわけですね。

Typicalの20mA近辺を流したければ、それに応じてAgIC回路の線を太く短くしていく必要があります。

↓ AgIC回路を細い線から太い線に変えたことでLEDが光りました。
AgIC基本の遊び方 点灯させてみるも、光らないAgIC基本の遊び方 線を太くして、点灯

AgICに使える紙は?

AgIC公式サイトでは、以下の用紙がテスト済みとして挙げられています。

  • 富士フィルム WPA455VA
  • 富士フィルム WPA420HIC
  • コクヨ KJ-D12A4-20
  • ブラザー BP71GA4

「インクが紙のコーティングと化学反応を起こすことで電気を通す」ということで、そのコーティングの種類によってAgICが使えたり使えなかったりするようです。

試しに、家にあった、昔ホームセンターで購入したフォト光沢紙を使用してみました。
AgIC性能チェック 使用できる紙
同じシリーズに見えるこちらの2種類ですが、片方は使えず、片方はAgIC専用紙よりも特性がいいという結果になりました。
これはほんと、描いて測定してみないと使えるかどうかわからないですね。

市販のフォト光沢紙は分厚いので、AgICで遊ぶには少々不便です。
AgICから発売されている専用用紙は薄いので使いやすいですよ。

AgIC A6回路用紙10枚セット

新品価格
¥864から
(2015/12/30 17:19時点)


遊ぶ用途に応じて、選択してみてください。

AgICで回路ジャンプをしたい時の方法2選

LEDと電池をつなぐだけの回路であればジャンプする必要はありませんが、マイコンをつないだ高度な回路を作りたい場合は、どうしても回路をジャンプする必要があります。

その方法について、2種類思いついたので性能を確認してみました。

まずはホチキスによるジャンプです。
太い線をひいてから、線をつなぐようにホチキスを打ちます。

ホチキス一本打ちと二本打ちを比較。
AgIC性能チェック ホチキスで線をまたぐ
一本打ちはかなり抵抗値が大きくなってしまいました。
二本打ちならなんとか実用に耐えそうです。

続いて、別紙によるジャンプを試します。

AgIC回路マーカーで塗った紙と、ただの白紙を別途用意します。
(右下の小さい紙がそれです。)
AgIC性能チェック 別紙で線をまたぐ1

白紙の方を縦の線の上に置き、ショートを防ぎます。
マーカーで塗った紙の方は、塗装面を下にして横の線を繋ぎます。
(緑斜線を引いてあるのが、マーカーで塗った紙の裏面です)
AgIC性能チェック 別紙で線をまたぐ2

ホチキスジャンプは69Ω、別紙ジャンプは19Ω。
抵抗値を比較すると、別紙によるジャンプの方が格段に特性が良いことがわかります。

回路ジャンプをするなら、別紙によるジャンプが良いようです。

導電性インクペンAgICについてのエントリ一覧

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. AgIC基本の遊び方 線を太くして、点灯
  2. AgICを極小マイコンの書き込みに使う3
  3. AgICフルカラーイルミネーション工作セット 応用例
  4. AgICで電子回路の知育 お絵かきの要領で回路設計
  5. AgIC LED&電池セット 作例スカイツリー2

コメントをお待ちしております

Rippoutai管理人


モノづくり起業を応援するRippoutai管理人、電気女子の顔写真です


電気女子(はまこ)

ワーキングマザーをしながら、サイドビジネスで小型電子モジュールの製造・販売をしています。
クラウドファンディングで1000%支援達成の実績あり。

モノづくり副業応援!
山梨起業応援!

アーカイブ