電気製品の故障に関する都市伝説2つをプロが解説



久々に電気の話題です。

投資やら起業やらの話題が多いこのブログですが、一応電気女子はプロの電気回路設計士です。
民生の制御機器とか設計しているガチ勢です。

よく忘れられてるけど。(笑

で、下記2つの話題について時々聞かれるので、一度ちゃんと解説しておきたいと思って筆をとりました。

  • 電気製品に水をかけると何故壊れるのか。
  • オーブンに電子基板をかけると何故直るのか。

都市伝説のように言われているこの2つですが、きちんとした細かい理由があります。
理由を知ってきちんと対処すれば、携帯に水がかかった時のリカバリがスムーズにいきますので、一度目を通してみてください。

解説していきますね。

電気製品に水をかけると何故壊れるのか。

水の導電性

化学的な意味での水とは「純水」のことで、これは電気を通しません。
しかし、世間の水道水などの水は、たくさんの不純物が混ざっています。

この不純物が電子を渡していくために、水は電気を流してしまうんですね。

強い部品、弱い部品

電気製品は電気を流すものでしょう?
なぜ電気が流れると壊れてしまうの?

電気製品というのは電気を流したい方向が決まっています。
それ以外の方向で電気を流してしまうと、壊れてしまうことが多いのです。

電気製品はものによって色々な部品が組み合わさっていますが、その中に、電子基板という、電気製品全体の頭脳を担う部品が入っています。
水を被って壊れてしまった場合、大抵この頭脳部分がやられています。
(携帯だと、タッチパネルなんかも繊細な部品なので、そっちがやられる可能性も高しっ)

ネットで適当に拾ってきた電子基板の写真を見てみましょう。

💖この辺の部品は滅多なことでは壊れません。
高電圧を長時間流し続けて始めて壊れます。

💛この辺の部品は電流を流す方向を間違え続けると壊れますが、一瞬通電してしまったくらいでは平気な、丈夫な子達です。

♡この子が問題です。
ICという名の、電子基板の中でも中核を担う子で、メインが1つ、サブが数個入っています。
頭が良すぎるせいで、脆いです。私みたいに。(大嘘

水を被って電気製品が壊れてしまった場合、この子がやられていることが多いです。

この子は、電気を流す方向を間違えると、高い確率で死亡します。
死亡すると、部品を載せ替えないと直りません。
同じ部品をネットで取り寄せればいいわけではなく、中に専用のプログラムが入っているので、メーカーにしか修理ができません。

水を被った時に起こっている事

水を被ったせいで、本来流れて欲しくない方向に電気が流れてしまうことが故障の原因です。

①ICは小さな緑矢印のように、流したい電流の方向が決まっています。

②水を被ることで、繋がってはいけないところが繋がります。

③流れてはいけない方向に瞬間的に大電流が流れて、ICが壊れます。

ICは一度壊れたら二度と元には戻りません。

電気製品が水を被ったらどうすればいいのか

では、水を被ったら必ず電子基板は死んでしまうのか。
いいえ、必ずではありません。

上記のように、繋がってはいけないところが繋がってしまった場合に死ぬのであって、繋がっても大丈夫なところが繋がった場合は、動作がおかしくなりますが死にはしません。

その場合は、水がこれ以上変なところに行く前に以下のように対処してください

①まずは電源を切る。

できればプラグを抜いたり電池を抜いたり、根本的な電源を抜くのがよいです。
電化製品を傾けないと電源を抜けない場合は、電源ボタン等でオフしてください。

電源ボタンもプログラム制御なので、電源ボタンを押した途端に電流が流れる場所が生じるので、あまりよくはないです。
しかし、被害を広める前にとにかく電気製品に電気が流れないようにすることが大事です。

②電気製品を解体してひたすら乾かす。

電子基板を取り出して乾かしてください。
(配線がわからなくなるといけないので、ケーブルは外さないように。)

ドライヤーを使っても大丈夫です。
水分が完全になくなったら、元に戻しましょう。

パッケージを開けられないタイプの電気製品は、水が入ったであろう隙間からドライヤーをあてるなどして頑張ってください。

③組み立てて電源ON

水が残っていた場合、死ぬ可能性があります。
水が綺麗になくなっていれば、無事復帰するでしょう。

以上、電気製品が水を被った場合の対処法です。
とにかくまずは、慌てずに電源オフ!

参考にしてみてください。

オーブンに電子基板をかけると何故直るのか。

続きまして、都市伝説的な言われ方をしているこのお話。
これは都市伝説でもなんでもなく、本当のことです。

電気製品が壊れたので、電子基板を取り出してオーブンにかける。
すると復活する。

これには2パターンの原因が考えられます。

水が浸入した説

まずは先ほどまで説明していたような、電気製品が水を被ってしまった場合や、何らかの原因で中で結露してしまった場合。

電子基板を乾かして水を飛ばすことで、直る可能性があります。

半田が脆弱説

半田といって、電子基板と電子部品を繋いでいる金属があります。
製造時のコストカットで、この半田の量が少ない基板が多くみられます。

半田の付きが弱いせいで電子基板がうまく動作していない場合、熱を加えて半田を綺麗に広げることで電子基板の動きが良くなることがあります。

上記2パターンにより、オーブンにかけると電子基板が復活する可能性があるのです。

なお、間違えてはいけないのは、あくまでオーブンであって電子レンジではないということです。

電子レンジは電磁波で水分分子を震わせることで対象を温めています。
これを金属に対して行うと大変なことになります。

電子基板をチンすると、配線部分が焦げて死にます。
二度と使えなくなるので、絶対にやめてください。

個人的には、オーブンは使わずにドライヤーを使用することをお勧めします。
オーブンだとやりすぎの危険性がありますからね。

ドライヤーはプロでも使う、基板故障の原因究明道具です。
安心してお使いください。

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Rippoutai管理人


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電気女子(はまこ)

ワーキングマザーをしながら、サイドビジネスで小型電子モジュールの製造・販売をしています。
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